AIエージェントを活用した開発ツール「Antigravity」には、セキュリティから開発効率、AIモデルの使い分けまで、多岐にわたる設定項目が用意されています。
設定を適切にカスタマイズすることで、AIの自律性を高めて爆速で開発を進めることも、逆に人間による厳格なレビューを必須にして安全性を担保することも可能です。本記事では、各設定項目の詳細と、どのようなシーンでどの設定を選ぶべきかを分かりやすく解説します。
デザイナーAntigravityの設定画面、項目がたくさんあって迷っちゃいます…。自分にぴったりの設定を見つけたいです!
エンジニアそうだね。デフォルトでも十分使いやすいけど、各設定の意味を知っておくと、より安全に、より効率的にAIを使いこなせるようになるよ。一緒に見ていこう!
SECURITY: Strict Mode(厳格モード)
AIエージェントの安全性を最も優先する設定です。
内容: 有効にすると、エージェントが自律的に脆弱性を突くような操作(エクスプロイトの実行など)を行うのを防ぎ、すべてのエージェントのアクションに対して人間のレビュー(承認)を必須にします。
いつ使うか: セキュリティが極めて重要なプロジェクトや、エージェントに予期せぬ挙動をさせたくない場合にオンにします。
デザイナーセキュリティの厳格モードって、どんな時に使うんですか?
エンジニアこれはエージェントの行動を厳しく制限して、人間の承認なしには何もさせない設定だよ。特に機密性の高いプロジェクトでは必須だね。
ARTIFACT: Review Policy(アーティファクトのレビュー方針)
アーティファクト(エージェントが生成するドキュメントやファイルなど)を作成する際の確認ルールです。
選択肢には以下の3つがあります:
- Always Proceeds: エージェントは確認を求めず、自律性を最大化します。ただし、安全でないコンテンツが含まれるリスクは高まります。
- Agent Decides: タスクの複雑さやユーザーの好みに基づいて、エージェントが「確認が必要か」を判断します。
- Asks for Review: 何かを作成する際、常にユーザーの承認を求めます。
デザイナーアーティファクトのレビュー方針も重要ですよね。どれを選ぶのが一番安全なんでしょう?
エンジニア「Asks for Review」を選んでおけば、エージェントが何か成果物を作るたびに確認が入るから安心だね。自律性を優先するなら「Always Proceeds」だけど、リスクも伴うよ。
TERMINAL: Terminal Command Auto Execution(ターミナルコマンドの自動実行)
エージェントがターミナルでコマンドを実行する際の挙動を設定します。開発において最も影響が大きい項目です。
- Always Proceed: 拒否リスト(Deny list)にあるコマンド以外は、確認なしで実行します。長時間放置して作業を任せる場合に便利ですが、危険なコマンドが実行されるリスクがあります。
- Request Review: 許可リスト(Allow list)にあるコマンド以外、実行前に必ずユーザーに許可を求めます。
設定の変更は「新しく送信されるメッセージ」から適用されます。現在進行中のチャットには反映されない点に注意してください。
おすすめの設定
現在の設定(Request Review / Agent Decides)は、「利便性と安全性のバランス」が取れた標準的な設定です。
- より安全に使いたい場合: Strict Mode をオンにするか、Artifact を Asks for Review に変更してください。
- 爆速で開発させたい場合: Terminal を Always Proceed に変更しますが、rm -rf などの破壊的なコマンドには十分注意が必要です。
各項目の詳細な技術ドキュメントを確認したい場合は、画面内のリンク(antigravity.google/docs/…)を参照することをお勧めします。
デザイナーターミナルコマンドの自動実行は、開発スピードに直結しそうですね!
エンジニアまさにその通り。でも「Always Proceed」は便利だけど、「rm -rf」みたいな破壊的なコマンドのリスクも忘れないでね。デフォルトの「Request Review」がバランス取れてておすすめだよ。
GENERAL(全般設定)
エージェントのWebアクセス能力を管理します。
- Enable Browser Tools: エージェントによるURLの展開、ページ読み込み、コンテンツ操作を許可するかどうかのスイッチです。オンにすると、エージェントが最新の情報をWebから取得できるようになります。
- Browser Javascript Execution Policy: ブラウザ上でのJavaScript実行ルールを決めます。
- Disabled: JSを実行しません。
- Request Review: JSを実行する前に必ずユーザーに許可を求めます。
- Always Proceed: 許可なしで実行します。最も効率的ですが、悪意のあるスクリプトが実行されるリスクがあります。
デザイナーエージェントがWebサイトを見れるってすごいですね!これで最新情報もキャッチできるんですね。
エンジニアうん。「Enable Browser Tools」をオンにしておけば、リアルタイムでWeb情報を参照できる。JavaScriptの実行ポリシーは慎重に選ぶ必要があるけどね。
ALLOWLIST(許可リスト)
- Browser URL Allowlist: エージェントがアクセスできるドメインやURLを制限します。
デフォルトで localhost が登録されています。これは、開発中のローカルサーバーをエージェントに確認させるための設定です。特定の外部サイトのみにアクセスを絞りたい場合は、ここに追加します。
デザイナーアクセスできるURLを制限できるんですね。セキュリティ面でとても重要そうです。
エンジニアそうだね。デフォルトでlocalhostが登録されてるのは、ローカル開発環境でのテストを想定してるから。外部サイトへのアクセスは、信頼できるものだけ追加するようにしよう。
ADVANCED(詳細設定)
エージェントが使用するブラウザエンジンの環境を指定します。
- Chrome Binary Path: 使用するChromeまたはChromiumの実行ファイル(.exeなど)へのパスです。空欄にすると、システム上のブラウザが自動検出されます。
- Browser User Profile Path: ブラウザのユーザープロファイル(設定やキャッシュ)を保存する場所です。
デフォルトは ~/.gemini/antigravity-browser-profile です。 - Browser CDP Port: Chrome DevTools Protocol(リモートデバッグ用ポート)の番号です。デフォルトは 9222 です。他のツールとポートが競合する場合は変更します。
設定のポイント
現在の設定は 「ローカル開発(localhost)を重視しつつ、JSの実行には慎重」 という構成になっています。
- Webサイトの表示確認をさせたい場合: Enable Browser Tools をオンにしたまま、適宜アクセスしたいURLを Allowlist に追加してください。
- 手間を減らしたい場合: 信頼できるサイトのみを触らせる前提であれば、Javascript Execution Policy を Always Proceed にすると、確認ダイアログが出なくなりスムーズになります。
デザイナーブラウザエンジンの設定までできるんですね!これはかなり細かく制御できますね。
エンジニアそうだよ。特殊な環境でブラウザを動かしたい時なんかに使う。通常はデフォルトで問題ないけど、デバッグポートの競合なんかがあったら調整するといい。
Notification Settings(通知設定)
内容: この画面自体には詳細なスイッチはなく、「OS(オペレーティングシステム)側の設定を開くためのボタン」が配置されています。
- Open System Preferences: このボタンをクリックすると、お使いのPC(macOSやWindowsなど)の「システム設定」内の通知管理画面が開きます。
なぜアプリ内に設定がないのか?
最近のアプリケーションは、ユーザーの集中モードを妨げないよう、通知の許可やスタイル(バナー、サウンド、通知センターへの表示など)の制御をOS側に一任することが一般的です。
活用シーン
エージェントに時間のかかるタスク(大規模なコード生成やデバッグ、Web情報の収集など)を任せている際、バックグラウンドで作業が完了したことを知らせてほしい場合は、OS側の設定で Antigravityからの通知を許可 しておく必要があります。
もし「作業が終わったのに通知が来ないな」と感じたら、このボタンからOSの設定を確認して、通知が「オフ」や「集中モード」で制限されていないかチェックしてみてください。
デザイナー通知設定ってOS側でやるんですね。集中モードとかで制限されてることもあるから気をつけないと!
エンジニアその通り。エージェントに時間のかかるタスクを任せてる時に、作業完了を知らせてほしいなら、OSの設定でAntigravityからの通知を許可しておく必要があるね。
Models(モデル)
主に MODEL QUOTA(利用制限・クォータ) の状況を確認するためのページです。
各モデルの状況解説
リストに並んでいるのは、現在あなたが利用可能なモデルとその残量です。
- Gemini シリーズ (Google):
- 3.1 Pro (High/Low): 高性能なモデル。複雑な推論が必要なタスク向け。
- 3 Flash: 速度重視の軽量モデル。簡単なコード修正や質問向け。
- Claude シリーズ (Anthropic):
- Sonnet 4.6 (Thinking): コーディング能力に定評があるモデルの最新版。
- Opus 4.6 (Thinking): 最も知能が高いとされるフラッグシップモデル。
- GPT-OSS 120B (Medium): オープンソース系の大型モデル。
画面の見方
プログレスバー(白い線): 現在の消費量を示しています。右側の薄いグレーの部分が残りの枠です。
- Refreshes in …: クォータがリセット(全回復)されるまでの残り時間です。画像では「あと6日」となっており、週単位でリセットされるプランであることがわかります。
- Refresh ボタン: 最新の利用状況を同期して更新します。
活用のアドバイス
クォータを節約したい場合は以下のような使い分けが効果的です。
- 重いデバッグや設計: Claude Opus や Gemini 3.1 Pro を使用。
- 日常的なコード生成: Claude Sonnet や GPT-OSS を使用。
- ちょっとした確認やドキュメント整形: Gemini 3 Flash を使用。
デザイナーたくさんのモデルがあるんですね!どうやって使い分けるのが効率的ですか?
エンジニアクォータを節約するなら、複雑なタスクにはClaude OpusやGemini 3.1 Pro、日常的なコード生成にはClaude SonnetやGPT-OSS、軽い確認にはGemini 3 Flash、って具合に使い分けるのがおすすめだよ。
Customizations(カスタマイズ)
AIエージェントに「独自のスキルや知識」を追加し、プロジェクトに特化した動きをさせるためのセクションです。
- Rules & Workflows(ルールとワークフロー)
エージェントの行動指針(振る舞い)や、よく使う定型作業を定義します。
- Rules: 「コード内にはコメントを入れない」といった、エージェントが常に守るべき共通ルールを記述したMarkdownファイルを指定します。
- Workflows: 特定のコマンド(例:/deploy)を打った際に実行させる手順を定義したファイルです。
設定パス:
- Global: ~/.gemini/antigravity/(PC全体で有効)
- Workspace: プロジェクト内の .agent/(そのプロジェクトのみ有効)
- Skills(スキル)
エージェントに「新しい能力」を教え込む設定です。
内容: 特定のAPIを叩く、独自のツールを起動して解析するなど、プログラムを実行して結果をエージェントに渡す仕組みです。
- Custom Paths: 自作したスキルが保存されているフォルダのパスを追加できます。
- MCP Servers(Model Context Protocol)
外部ツールやデータソース(GitHub、Notion等)とAIを繋ぐための共通規格「MCP」の設定です。
内容: エージェントが直接リポジトリを検索したり、カレンダーを確認したりできるようになります。
- Manage MCP Servers: ここからMCPサーバーの管理、設定ファイル(mcp_config.json)の編集、ツールの追加が可能です。
おすすめの使い分け
- 「書き方の好み」を伝えたい: Rules を編集。
- 「自動化したい一連の作業」がある: Workflows を作成。
- 「外部の便利ツール(GitHub等)」と連携させたい: MCP Servers を追加。
デザイナー独自のスキルや知識を追加できるって、エージェントがどんどん賢くなりますね!
エンジニアルールやワークフローで振る舞いを定義したり、スキルで新しい能力を教え込んだり、MCPサーバーで外部ツールと連携させたりできる。かなり柔軟にカスタマイズできるのが魅力だね。
Tab(タブ補完・AI補完)
コーディング中の「予測補完」を制御します。
- SUGGESTIONS(補完の挙動)
- Suggestions in Editor: インライン補完(グレーの文字での提案)の有効化。
- Tab Speed: 補完が表示されるまでの速さ(画像では Fast)。
- Highlight After Accept: 確定した挿入部分を一時的にハイライト。
- Tab to Import: 補完確定時に必要な import 文を自動追加。
- NAVIGATION(ナビゲーション)
- Tab to Jump: AIが予測した次の編集場所へ、Tabキー一つでジャンプさせる機能。
- CONTEXT(コンテキスト/参照データ)
- Clipboard Context: クリップボードの内容を補完のヒントにするか(機密保持のため通常はオフ)。
- Tab Gitignore Access: .gitignore で除外されているファイルを補完の参考にすることを許可するか(通常はオフ)。
デザイナーインライン補完や自動インポート、すごく便利そうです!開発効率が上がりそう。
エンジニアコードを書いてる時にAIが予測して補完してくれる機能だね。Tabキー一つで次の編集場所にジャンプできる「Tab to Jump」も慣れると手放せなくなるよ。
Marketplace & Selection Actions
- MARKETPLACE(マーケットプレイス)
拡張機能のインストール元を設定します。
- Marketplace Item URL / Gallery URL: デフォルトは open-vsx.org です。個人開発であればデフォルトのままで問題ありません。
- SELECTION ACTIONS(選択時のアクション)
- Show Selection Actions: コード選択時に「Edit」や「Chat」ボタンを表示するかどうか。選択範囲に対して即座に指示を出せるため、オンが推奨です。
- GENERAL(一般設定)
- Open Editor Settings: フォントサイズやテーマなど、より細かいエディタ自体の設定(VS Code風)を開きます。
デザイナー拡張機能のマーケットプレイスや、コード選択時のアクションボタンも使い勝手が良さそうですね。
エンジニアVS Codeに似た感覚で使えるように、拡張機能を管理したり、選択範囲に対して直接指示を出したりできる。開発体験が向上するよ。
General & Account
- GENERAL(全般設定)
- Enable Telemetry: 使用状況データをGoogleに送信するかどうか。プライバシー重視ならオフで問題ありません。
- Marketing Emails: プロモーションメールを受け取るかどうか(現状はオフ)。
- ACCOUNT(アカウント情報)
ログイン中のメールアドレス(ise0615@gmail.com)の確認やログアウトが可能です。
デザイナーテレメトリーやメールの送信設定は、プライバシーに関わることだから重要ですね。
エンジニアそうだね。使用状況データを送信したくないならオフにしておけばいい。アカウント情報はここで確認できるから、ログイン状況も一目瞭然だ。
まとめ
Antigravityの設定は、プロジェクトの性質や開発スタイルに合わせて柔軟に変更できるのが大きな強みです。
最後に、設定のポイントを3つの方向性で整理しました。
- 安全第一で進めたい場合: 「Strict Mode」をオンにし、アーティファクトやターミナルコマンドの実行を「Request Review / Asks for Review」に設定しましょう。
- 開発スピードを最大化したい場合: 信頼できるプロジェクトであれば、ターミナル実行を「Always Proceed」にし、AI補完(Tab)のスピードを「Fast」に設定するのがおすすめです。
- コストやリソースを管理したい場合: 「Models」画面でクォータの残量を確認し、タスクの難易度に応じてGemini 3.1 ProとFlashなどを賢く使い分けましょう。
まずは標準設定で使い始め、慣れてきたら「Customizations」で自分だけのルールやワークフローを追加して、最強の開発パートナーに育て上げてみてください。
デザイナーなるほど!設定次第で、頼もしいアシスタントにも、慎重なガードマンにもなってくれるんですね。まずは自分好みに少しずつ触ってみます!
エンジニアその意気だね。特に「Rules」で自分専用のコーディング規約を教え込むと、一気に使いやすくなるから試してみて。AIとの連携を最適化して、クリエイティブな作業に集中していこう!